今月、手持ち1体のみに道具を2つ持たせられる公式大会、「キョウセイバグビート」が開催されたので、その大会で使用した構築に関しての記事を書きました。
(剣盾シングル、1体のみ禁止伝説の使用可、ダイマックス可)
構築経緯
今回、道具2つ持ちが解禁された事でまず疑問に思ったのが、シルヴァディに複数のメモリを持たせるとどうなるのか、という点です。
そこで早速検証してみた所、なんと、所持した複数のメモリが反映される事が分かりました。(現段階ではバクなのか仕様なのか不明)
具体例を挙げて説明すると、「ファイトメモリ」「ポイズンメモリ」を持たせるとシルヴァディのタイプは格闘・毒になるという事です。
……これ地味に凄いのでは?
この仕様を利用すると、シルヴァディのタイプを複数メモリによって自在に組み合わせることで、剣盾の現段階で未解禁である
・くさ/ほのお
・ほのお/フェアリー
・でんき/かくとう
・こおり/どく
・かくとう/じめん
・かくとう/フェアリー
・どく/はがね
・じめん/フェアリー
・むし/ドラゴン
・むし/あく
・いわ/ゴースト
が擬似的に使用可能になります。
(ノーマル複合に関してですが、シルヴァディがメモリを所持した時点でノーマルタイプは消えてしまうので、残念ながらノーマル/ゴースト等の複合は不可能なようです……)
そして更に凄い事に、シルヴァディにはメモリによって技のタイプが変わる「マルチアタック」なる専用技がありますが、これも同様に複数メモリの恩恵を受けるらしいのです。
これの何が凄いのか?
そう、これはつまり、本来なら相反する筈の炎と氷、ドラゴンとフェアリーといった属性を融合したオサレな合体技が打てるという事です。
イナズマイレブンで言ったらクロスファイア、BLEACHで言ったらアニマロッサで流れる白一護と一護の合体月牙みたいな感じですね。(伝わらないネタ)
これはシルヴァディを使わざるを得ない!
考察
兎にも角にも、有用なタイプを見い出さないことには話が進みません。
未解禁タイプであればしっかりとした考察を、既存のタイプであればしっかりとした差別化が必要ですね。
公式大会ということで期間が短く、そこまで考察出来る時間があった訳では無いですが、3つ程候補が出てきました。
・どく/はがね
早速未解禁タイプですが、驚くべきはその耐性。
なんと半減が6、1/4が3、無効が1、弱点が炎と地面のみです。
ヒードランと耐性が似ていて耐久もあるので同じような動きが出来そうです。
差別化点は水、格闘、岩の耐性、幅広い役割破壊技。
どく/はがねはフェアリー1/4なので、トリプルで幅を利かせてるニンフィア対策に良さそうですね。
シルヴァディが使えるusum(sm)、剣盾でトリプルは……。
・ほのお/じめん
先程は「マルチアタック」を説明する際あえて表記しませんでしたが、この技どうやら、ルチャブルの専用技「フライングプレス」と同じ仕様らしいのです。
詳しい内容については各々wiki等を参照して欲しいのですが、簡単に説明すると、相性判定が2回起きます。
例えば相手が鋼タイプだとすると、炎→鋼の相性と、地面→鋼の相性を合わせた相性になります。(つまり4倍)
これがどういうことかというと、本来4倍弱点が存在しない単タイプに、無理やり4倍弱点をつけるようになるんです。
仮にマルチアタック(ほのお/じめん)として、仮想敵をザシアンにすると、無補正無振りマルチアタックで、H252ザシアンが確1です。(強い)
余談ですが、4倍弱点を2つ持つポケモンには最大16倍の弱点をつけるので、意地A252マルチアタック(ほのお/ひこう)で無振りパラスが21~25体逝きます。
最後に3つ目、実際に使った複合タイプです。
・ひこう/じめん
うん……。
そこまで強いかな……?
って思いそうですが、まずは下の画像を見てください。
地面と飛行の○と△が上手く噛み合ってますよね?(×部分は防御側が飛行)
この画像が何を示すかというと、つまり、一致ダイジェットが飛行タイプを除いて半減されずに打てるんです!!
剣盾環境ではダイジェットが強すぎて、タイプ一致で打てるだけで評価が上がるポケモンが多くいましたが、これがほぼ半減無しに打てるって滅茶苦茶強くないですか??
しかもこのひこう/じめんというタイプ、攻撃面だけでなく防御面でも優れているんです。
シルヴァディの性質として、メモリによって外見の色が変化しますが、メモリを複数持たせると、仕様上、持ち物1のメモリ(持ち物1っていう概念なんだこれ)のメモリしか外見に反映されないので、ひこう/じめんメモリを持たせても、相手側からはひこうタイプという情報しか認識出来ないんです。(ただでさえ分かりにくいのに)
つまり、飛行タイプの弱点である電気、岩、氷技を打っても、地面タイプと相殺されて……
電気タイプは無効!岩タイプは等倍!氷タイプは4倍なので死にます。
パーティー紹介
シルヴァディ@フライングメモリ(ARシステム)
とんぼがえり/はたきおとす/ウッドハンマー/グラススライダー
ザシアン@くちたけん(ふとうのけん)
インファイト/ふいうち/ちょうはつ/あんこくきょうだ
へんしん///
ぽけっとふぁんくしょん!
シルヴァディの型について。
陽気 H244 A92 S172
Sはダイジェット1積みで最速フェローチェ抜き。
基本的な立ち回りとして、地面技や電気技を透かしてその内に剣舞→ダイマックスという感じです。
与ダメージ計算(A2段階上昇)
ダイジェット(95)
無振り ザシアン 61%~72%
無振り カイオーガ 71%~84%
H252 ムゲンダイナ 96%~114%
ダイアイス(120)
威嚇込み 無振り ランドロス(ダイマックス時) 96%~113%
無振り サンダー(ダイマックス時) 66%~71%
ダイスチル(130)
H252 ゼルネアス 93%~113%
無振り ザシアン 110%~161%
披ダメージ計算(通常)
A252 1段階上昇 ザシアン きょじゅうざん 81%~96%
A252 悪ウーラオス インファイト 27%~31%
C252 ムゲンダイナ ダイマックスほう 48%~57%
披ダメージ計算(ダイマックス時)
A252 ランドロス ダイロック(130)21%~25%
C252 黒馬バドレックス アストラルビット 32%~38%
C252 サンダー ダイジェット(140) 30%~36%
C252 ラプラス ダイアイス(120)81%~96%
戦績
無敗ですぐに1600台に載る事が出来ました。
大会期間が短く対策法が広まらないこともあってか、初見殺し性能が高く、ひこう/じめんタイプだと看破出来ない相手に対しては(むしろ読んでいたらクレイジー)easywinが出来ました。
ただ、上位帯になると、ダイジェット1積みシルヴァディを抜いてくるスカーフ×2白馬バドレックスとか、恐らくHB特化の進化の奇石×2ポリゴン2とか、魑魅魍魎が跋扈していて恐ろしい世界でした……。(しんかのきせきは、進化の輝石と表記される事が多いですが、正しくは奇石らしいですね)
今回はromの都合上1種類しか試しませんでしたが、他の複合タイプも色々な可能性があって面白そうだなと思いました。
砕けろ、鏡花水月
最後に
一体いつから───────道具を2つ持てると錯覚していた?
こんな公式大会など元来存在してはいない。
※この記事は、司丸らぎさん(@ragi_tukasamaru)主催の第03回架空構築記事コンテスト用のものです。